偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する

武田邦彦 著    出版社 幻冬舎新書
2008年5月30日 初版
ISBN978–4–344–98080–8

地球に優しい生活というマスコミの呼び掛けにより心正しき日本人は毎日エコロジーに気を使いながら生活している。

ゴミの分別やレジ袋を使わないようにしたり、冷房を28度に設定したりと自分を犠牲にすることを厭わないという素晴らしい行動だ。

しかし、こうした行動は地球環境を守る事には全く何の意味もないと本書はいう。

そう言った環境に優しい行動が本当はどの程度地球環境に優しいのかを科学者である筆者が独自の計算したデータ等を駆使し分かりやすく説明してくれる。

ここに書かれた内容は目のウロコが落ちるようなことばかり。

信じるか信じないかは読んだあなた次第だ。

第1章 エコな暮らしは本当にエコか?

・レジ袋を使わない
レジ袋を使わないのは本当のエコロジーな行動ではなく逆に石油の無駄遣いになるという。
なぜならばレジ袋に使用している石油から取れる原料はレジ袋以外に使い道がなく、レジ袋を使わないのであれば石油化学工場で燃やしてしまうらしい。

・割り箸を使わない
割り箸を使わないのも自然環境に良くない行動らしい。
なぜなら木材で建築に必要な部分を切り出す時にかなりの端材が出るためにこれを利用できるのは合板か割り箸をにするのだという。
また、材木用の木を育てる時にたくさん植えてから段々間引いて大きな木に成長させるのだという。
その際に間引いた木も割り箸や合板として使われる。
割り箸やを使わないという事はせっかくの材料を使わずに捨てている事になるという。

・エアコンの温度を28度に設定する
今では全く言われなくなったが冷房を28度に設定する事が流行った。
暑がりの僕としてはとても暑くて耐えられなかったので会社の衛生委員に文句を言ったものだ。
だが、この呼び掛け後毎年熱中症を発症する人が急激に増え、エアコンを28度に設定するのは危険な事だと殆どの日本人は気づいた。
呼び掛けたマスコミは謝りもせず、エアコンの設定温度を下げる呼び掛けに変わった。

第2章 こんな環境は危険?安全?

・ダイオキシンは有害だ
今では全く話題に上らない有毒物質ダイオキシン。
80年代ごろがピークだったのか、ものすごく有毒な物質だとマスコミが騒いでいた。
この本によるとダイオキシンの中毒で死んだ人は今まで一人もいないとのことらしい。

・狂牛病は恐ろしい?
現在、この問題は騒がれなくなり、患者も殆どいなくなった。
原因は牛の肉以外の残った部分を再利用し砕いて食肉用の牛の飼料にし、共食いをさせていたこどだ。
狂牛病にかかった牛の肉を食べても狂牛病に感染する事はないらしい。
発病した牛の脳や目の部分を食べると感染するとのことだ。

第3章 このリサイクルは地球に優しい?

・牛乳パックのリサイクル
牛乳パックのリサイクルは全く意味がないのだという。
牛乳パックを古紙として再利用するにはあまりにも手間がかかり過ぎるし、紙の総消費量の0.3%しかリサイクルされないとらしい。

・ペットボトルのリサイクル
ペットボトルのを使い捨てするのは勿体無いと思うの日本人は多い。
しかし、ペットボトルを集めてまた元のペットボトルを作る事は手間がかかる上新しいペットボトルを作るより3倍の石油がかかるという。

第4章 本当に「環境に良い生活」とは何か

・リサイクルより、物を大切に使う心

・自治体と業者を野放ししてよいのか

・家電リサイクル儲けのカラクリ

・国民は無駄遣いを払い、バカをみている

・海外にも広がるリサイクル汚染

・廃棄物を途上国に売り付ける日本

・自然を使えば「環境破壊」になるか

・自然と人間の共生とは

・自然を大事にする国は自国の農業も大切にしている

・日本人の行動は矛盾に満ちている

・リデュース・リユース・リサイクルの3Rにだまされるな

・心が満足していると者は少なくてすむ

いそがしく会社勤めをしている人がゴミの分別をさせられて少ない時間を更に少なくされている。
昔のように専業主婦が当たり前であれば主婦が行える時間はあったかもしれない。
しかし、今や女性も会社で正社員として働いている。
必要のないゴミの分別やリサイクル活動はみんなの大事な時間と労働力を奪うだけだ。


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