テレビ局の裏側

書籍イメージ
中川勇樹 著 新潮新書 出版社
2009年12月20日
ISBN978–4–10–610341–4

本書の著者はテレビ番組のふりーのディレクターをしている。
テレビ局というものをよく知っているから、その裏側、影の部分まで見える。

テレビ局には格差があるそれは、キー局の社員と制作会社の社員やその下請けのものたちの格差だ。
キー局の社員の給料はものすごく高い多分平均年収1300万円程度であろう、すごく稼げる。
しかし、彼らは特別に何か才能があるというわけではなくテレビ局の社員であるというだけでだ。
制作会社実際に番組を制作する会社だ、当然、仕事も大変だし、様々な才能を集めて番組を作る。

今のテレビ局は番組を作らない、殆ど制作会社が作っている。

しかも、テレビ局の下請けのため立場も弱い。

テレビではよく偏った内容の番組が見受けられる、テレビでは構成作家なるものが番組のあらすじを書きそれに沿った取材やロケや収録が行われる、その為、事実が違っていても放送作家の書いたあらすじ通りに番組を作る、だから内容が偏ってしまう。

無理やり感動させようとしたり、笑わせるべき箇所を字幕で示したりと、つまらない手段を使って番組を盛り上げようとする、既にそういった演出に辟易しているものがどんどん増えている事に気付かないのだろうか、見ていて痛々しい。

番組制作費も段々と下がっていっている。
番組制作費はスポンサーが拠出した金額から電通等の広告代理店が最大25%程度の営業経費を差し引いた額がテレビ局に渡され、それから半分がテレビ局が取り、その残りで番組を制作する。
ここのところテレビの視聴率が落ち続けている為、当然スポンサーの番組制作費は少なくなっている。
スポンサーの拠出する額が減っているのに番組を制作する金額が全体の37%ではどれ程番組を作るのが大変なのか理解できる。

斜陽となってきているテレビはこの先どんなチープな番組を作っていく事になるのか。

ドラマや時代劇、アニメはかなり制作費がかかる、しかも今でさえ底辺の作業をしているものたちの賃金は信じられない程低い。

テレビは今のビジネスモデルを転換する事を考える時期にきているはずだ。


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