その後のツレがうつになりまして。

細川貂々 著 幻冬舎 出版社
2007年11月25日 初版
ISBN–978–4–344–01418–3

ツレがうつになりまして。の続きが語られる本書。
ツレと著者の運命は…。

ツレがうつになった体験をそのまま本にしてみようと著者は考えた。
なぜなら、世間ではうつについてかなりの誤解や間違った情報が流れていると思ったからだ。
いくつかの出版社に相談したところ幻冬舎から出版できることとなりツレがつけていた日記をベースにして執筆作業に取り掛かる。
執筆中ツレがつけていた日記にいくつかの衝撃的事実を見つけたことと内容が思っていたより重いことが分かり執筆は難航した。
そして、執筆は完了し様々な過程を経て本が完成した。
本の初版の印刷が完了しいざ発売となった時、急にツレが本を発売するのをやめてくれと、涙ながらに訴えてきたが、この段階で出版取りやめなのは無理なので、本は無事出版された。
本が発売されて間も無くの頃、本屋を回ってみたがこの本が置いてある本屋を見かけることができず、本はあまり売れてないと著者は思っていた。
ある日パソコンでメールのチェックをした時に、物凄い数の本への感想メールが届いていた。
そして、だんだん周りもうつに対する考え方が少しづつ変わっていくのが実感できた。
本は考えていたより売れ、増刷となった。
映画化もされた。

うつになって出来なくなったことが語られる。
うつになると今までで簡単に出来ていたことが出来なくなる。

・ひとりで出かけられなくなる。
・旅行に行けなくなる、特に電車に乗れなくなる。
・人混みに入れなくなる
・サラリーマンになる。
・電話に出られなくなる

そしてツレは病気が回復し色々な事がだんだん出来るようになる。

・電話に出れるようになる
・薬の量が減る
・講演会で人前で話せる
・会社を作った

現在、ツレは専業主夫で会社の社長となった。

この病気でこんな風にうまくいく人ばかりでは無いかもしれないが、うつ病の人にとってひとつの指針になれば良いなと思う。


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チーズはどこに消えた?

スペンサー・ジョンソン 著 角田美鈴 訳 扶桑社 出版社
2000年11月30日 初版
ISBN4–594–03019–X

1998年にアメリカにて出版され全世界2400万部の大ベストセラーの本書。

日本でも出版され累計400万部のロングセラーになっているとのこと。

構成は最初に「チーズはどこに消えた?」という寓話を知って人生が変わり、窮地を脱したことを話し合っている人々の集まりが描かれる。

そして、本編の「チーズはどこに消えた?」という寓話語られ。

2匹のネズミと2人の小人の物語。
ネズミと小人はずっと長い間、迷路に入っては特別なチーズを探していた。
迷路は複雑だったが、特別なチーズを見つければ良い暮らしができるようになると信じて。

ネズミは非能率的で試行錯誤をしながら探していた。
小人は複雑な方法で今までの経験から分析をしながら探した。

それぞれが違う方法で探し続けていた。

そして、小人とネズミは迷路のあるエリアで探し求めていたチーズを見つけた。

2匹と2人はチーズ探しをやめて、毎日チーズにに舌鼓を打つ毎日になった。

皆はこれで永遠に幸せになれると信じた。

ところがある日チーズがなくなってしまった。

エリアをどう探しても見つからない。

皆は途方にくれた。

少し立つとネズミたちはすっかりチーズの事は忘れ、新しいチーズの探索に旅立っていった。
しかし、小人たちは単純な考え方ができない為、チーズがなくなってしまった事が受け入れられずエリア中を様々な方法や考え方で隈なく探し続けた。

そうしているうちに小人はだんだん弱っていった。

一方、ネズミたちはしばらく探索すると別なエリアに今までとは考えられないくらいのチーズの山を見つける。

ひとり小人はエリアの探索を諦め、新しいチーズを探しに行こうともうひとりの小人に提案するが、もうひとりの小人はどうしても諦めきれず、なぜチーズが消えたのかを究明できるまでここを動かないと言い提案を却下した。

提案した小人もまだこのエリアから別な場所を探索する事がどれほど大変か理解していたので、大変な事への恐怖から提案を引っ込めそのまま動かないことに賛成してしまった。

更に月日が経ち相変わらずエリア内を探索し続ける小人たちは危機に瀕していた。

やはり、ひとりの小人は新しいチーズの探索に行くしかないと思い立ち、もうひとりの小人を置いてチーズ探しの旅へ出ていった。

そして、辛い探索の旅をしてやっとネズミたちのたどり着いたチーズの山があるエリアにたどり着いた。

たどり着いた小人は思った。

もうひとりの小人は旅だったろうか、ここへたどり着けるだろうかと。

しかし、彼には彼の運命だからどう選択するかは彼次第だ、ここへの道しるべは残しながら来たから恐怖を払いのけ勇気を持って旅立てば必ずここへたどり着けるだろうと。

といった寓話が語られる。

この後、この物語についてはじまりの時に話し合っていたもの達がこの物語に出会った事について更なるディスカッションjを行う。
本書から教えられる事は、リスクを恐れずに新しいものに挑戦したものだけが幸せを手にする事ができ、リスクを恐れて留まり続けるものにはそこまでの運命となるだろうという事だろうか。

リスクをとって前進し続ける事は難しいがこのストーリーはそれではいけないと背中を押されるようだ。


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うまくいってる人の考え方 完全版

ジェリー・ミンチントン 著 弓場隆 訳
2013年4月15日 初版
ISBN978-4-7993-1328-2

本書は自尊心を高めて自分を好きになり、他人と同様に自分には素晴らしい価値があると理解するという内容が書かれている。
人生において自尊心を失わされる出来事に遭遇し、自尊心を失ってしまう人々が多い。
しかし、自尊心を取り戻すことは可能で理解すれば簡単に自尊心を取り戻すことができる。
新しいセルフイメージを作り、人間的に大きな成長を遂げ誰よりも幸せな人生を取り戻そう。

といった内容が書かれた本である。

・仕事などでミスをしても自分を責めない。
起こってしまったことを後悔するより、次回に同様のミスを起こさないように対策を考えた方がよい。

・自分の長所を伸ばす
粗探しをして欠点を気にするより、自分の長所を磨いて成長させれば、自分の自信となる。

・やりたくないことは断る
どうしてもやりたくないことはきちんと断る、やりたくないことをやると結局うまくできなかったり、ストレスになる。

・たくさん失敗して、たくさん学ぶ
人生において失敗は必ず誰にでもある、失敗から学び正しい選択をすればよい。

・自分をけなさない
いつも自分にはプラス思考で問いかける、マイナス思考で問いかけてもいいことは何もない、自分を決して責めない。

・相手がどう感じているのか気にしない
自分がそう思っているくらいで、他人もそう思っているだけ。

・自分は幸せになれると信じる
自尊心を高め自分は幸せになれると信じる、そすると幸せは訪れてくる。

・そのままの自分自身を受け入れる
自分の欠点がなければもっと良い人間になれると思っている人が多いが、そんなことは考えずあるがままの自分を受け入れそれで良いと納得する。

・自分のしたいことをする
親や他人は、あなたとは違う価値観からあなたを束縛する、そういった意見を聞き入れるよりあなた自身の価値観で行動するべきだ。

・他人の意図の通りに行動しない
他人はあなたに自分の期待通りの行動をしてほしいと考えるが、そんなことは気にせず自分自身の考えで行動する。

・他人の評価は気にしない
他人からの評価を気にしないようにする。他人の評価を受け入れて生きることは自分の人生を生きることではない。

・完璧主義にならない
完璧主義は不幸だ、常に決定に苦しみ、ミスに苦しみ、完璧であることに苦しむ。

等々100の考え方が記されている。
心が弱っている人は絶対に元気がでるはず読んではどうだろうか。


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会社の電気はいちいち消すな コスト激減100の秘策

坂口孝則 著 光文社新書 出版社
2009年3月20日
ISBN–978–4–334–03497–9

本書が出版されたのがデフレ真っ只中の頃、会社では節約があちらこちらで叫ばれ、マスコミも節約すべきと報道していた。

僕が勤めていた会社もコスト削減の任を受けた常務が経費削減しようと奮闘していた。
しかし、経費削減なんて馬鹿でもできる仕事だ、自分の価値観の中で無駄に思えるものを削減する方法を考えて実行するだけだ。

安易に経費削減などをして、将来の投資は全く頭にはないという始末。

この本では安易な節約は全くコスト削減になっていないという。

たとえば従業員の仕事を削減したり仕事の手順の改善による効率の改善をしてもコスト削減には減らない。

薄利多売には意味があり利益率の高い商品だけを売るだけという考えでの商売は良くない。

固定費をいかに回収し変動費をいかに削減するかが大切であること。

節約術100連発というコーナーがあり実際の節約術を細かく披露してくれる。

大分、景気回復してきたと言ってもまだまだ、その入り口に辿り着いたところに過ぎない、節約を行ない利益率をコントロールして会社の経営状況(キャッシュフロー)をよくしていくべき指針として本書を一読してはどうだろうか。


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テレビを見てはいけな 脱 ・奴隷の生き方自分たちが

苫米地英人 著 PHP新書
2009年9月29日 初版
  著者は脳機能科学者、認知心理学社、分析哲学者等の肩書きを持つ。
テレビや常識と呼ばれているものの中に意図して他人を洗脳しようとする内容が暗示されているという。
たとえばブームといったものを作り自分たちが売りたい商品を売れるように仕向けたり、報道で悪者と正義の味方(たいがいマスコミ)を作り感情論で視聴率を稼いだりといったことが行われる。
マスコミは常に視聴者を洗脳しようとしている。
マスコミ、資本家たちや財務省などの役人に有利な論調が常識なのだと宣伝し正しい事だと思わせる。
そうやって他人を無理やり操ろうとするからくりを解説してくれる。

第1章 テレビを見てはいけない

・テレビはつくり手と受け手がともに「進化」してきた
・視覚情報は最強の洗脳媒体
・脳の中の「臨場感空間」
・洗脳とは「内部表現」の書き換え
・テレビによく出る政治家が当選するのはなぜか
・政治家はテレビに出るな
・「キーホールTVが」もたらすインパクト
・日本のテレビは三秒遅れで放送される
・グーグルの弱点は「電力」
・あなたの銀行データはアメリカにある
・メディアをウォッチするメディア
・「御用メディア」ばかりの日本
・経営者から編集権を独立させなさい
・報道が追及すべきは悪人ではなくシステムの悪
・メディアは株式上場してはいけない
・安直なお笑い番組に費やされている膨大な社会のコスト
・テレビとの正しい向き合い方が立体的視点を養う
・インターネット情報の功罪
・視聴者が知らないテレビ世界の不透明な金の流れ
・新規参入できない日本のメディア
・英語力がメディアによる「洗脳」から身を守る
・私が「カリスマ」ブームを仕掛けた理由
・ブームはマニアから生まれる
・たった十数人が日本の世論を作っている
・自殺者増加の一端はテレビが担っている
・テレビ市場は開放すべき
・視聴率の真っ赤なウソ
・テレビは見るものからつくるものへ

第2章 脱・奴隷の生き方

・敵のパットを「入れ」と願ったタイガーウッズ
・無意識が「理想の自分」を追いかける
・犯罪者は子供のころから自己評価が低い
・ホメオスタシスとコンフォートゾーン
・コンフォートゾーンを上へとズラす
・本当のゴールの見つけ方
・現状に満足している人は洗脳されている
・無限の可能性を殺す「ドリームキラー」
・人間は今大切なものしか見ようとしない
・あんないい娘がダメ男に引っかかるのか
・コンフォートゾーンから外れるとIQが下がる
・相手を怒らせればディベートに勝てる
・成功イメージはモチベーションを上げる諸刃の剣
・知識の習得もホメオスタシスの一種
・スケジュールがいっぱいでないと不安な日本人
・お受験ママの「洗脳教育」
・マナー教育は正義の名を借りた「奴隷化」
・「郷に入れば郷に従え」は正しいのか
・ネクタイは「スコトーマ」の象徴
・それは、ほんとうにあなたがやりたいことですか

第3章 日本人はなぜお金にだまされやすいのか

・麻原がイケメンに見えていたオウム信者
・物理世界も目に映った情報に過ぎない
・臨場感を感じる三つの要素
・アスペルガーの人達の豊かな脳内空間
・人殺し以外なら何をやってもかまわない
・精神世界にも侵食する差別のシステム
・「空気を読め」は差別のシステム
・イギリスとアメリカの支配層教育
・日本の富裕層はニセモノである
・「お金がすべて」を徹底するからこそフェアなアメリカの金権政治
・なぜ日本人は借金をしつづけられるのか
・詐欺と化した資本主義
・お金で買えないものはある
 自分自身にも思い当たる事がいくつもあり、「ああ、あれも洗脳だったのか」と思い出す。
テレビの説教じみた話しや、会社でしきりにうるさく言われるマナーなどにも他人を操ろうとする意図がある可能性があることを理解して挑む必要がある。


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さらば、デフレ不況 日本を救う最良の景気回復論

この本が出版された頃の日本は自民党政権から民主党政権に変わり世の中の景気は相変わらず不況だった。
リーマンショックからの経済の痛みは癒えず何の対策も行われなかった。
この後、更にデフレは悪化し失業率は5%と最悪、株価も一万円以下に下がっていった。

巷にはニートやフリーター、非正規雇用が溢れていた。
メディアは国の借金問題、少子化、それに伴う年金の崩壊など日本終末という論調のニュースをしきりに報じていた。

政府はなかなか認めてこなかった、「現在の状況はデフレである」ことを認め、やっと重い腰を上げデフレ対策を行なおうとしていた。
御用評論家や御用エコノミスト達はテレビや新聞で毎日、国民に財政破たんの恐怖を訴えて怯えさせていた。

だが当時の与党、民主党は財務省の傀儡となりつつあり、正しい政策を打てずにいた。

そうした中、メディアや御用専門家たちの偏った報道や何もできない政治家たちへのアンチテーゼとしてこの本は出版された。

日本経済新聞や朝日新聞が大声で叫ぶ国の借金1000兆円や年金が破産するとの日本経済終了論。

政府や日銀の財政規律政策へ真っ向からの否定的な事実を図表を使い現実の数字を使って説明する。

デフレとはどういった状況なのか?
デフレの何が問題なのか?
なぜデフレになるのか?
デフレを脱却するにはどうしたらいいのか?

国の借金とはなんなのか?
財政黒字・財政赤字とはなんなのか?
GDPとはなにか?
GDPを増やすにはどうすればよいのか?
国信借金の限界とは?

お金とはそもそもどういったものなのか?
お金の創り方とは?
効果的なお金の使い方とは?

日本がまた復活するにはどうすれば良いのか?

デフレは物が安くなる→企業の売り上げが減る→国民全体としての給料が下がる→更に物が安くなる→更に企業の売り上げが下がる→更に給料が下がる

このような過程を経て国民の生活を直撃します。

「国家経済にもフローとストックが存在する。」
「誰かの負債は誰かの資産である。」
「誰かの支出は誰かの所得である。」

こんな当たり前の簡単なルールをすっかり忘れてしまう。

そういった様々な知っているようで知らない疑問が読めば理解できる。

お金はいくらでも刷れる。

そう、デフレの今ならお金はいくら刷っても良いのだ。
そんな当たり前な解決策を誰もが思いつかず、絶望させられていた。
そんな事を誰かに言おうものなら頭がおかしくなったのかというような目で見られた。

現在、2017年5月である。
本書が出版されてから7年が経過している。
この本で指摘されていることを現在、政策として与党自民党・安倍総理は「アベノミクス」として本書に書かれたリフレ政策を実施している。
そのおかげで、失業率は2・8%に改善され株価ももう少しで2万円に届こうかとしている。

お金を大規模に刷った。
日銀の大規模な金融緩和が功を成し、為替も当時80円代から110円まで回復した。

 財政出動がまだ足りなくデフレ脱出の道は未だ半ばだが、これから正しい政策が行われれば近いうちに日本は復活を果たすだろう。 この本で書かれているリフレ政策が正しかったことが段々と証明されつつある。


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