東急ハンズには緑のエプロンの神々がいる

るかぽん 著 MEDIA FACTORY 出版社
2015年5月22日 初版
ISBN978–4–04–067424–7

本書は東急ハンズという店を詳しく紹介し、どんな良さがあるのかを改めて教えてくれるというものです。

東急ハンズの親会社は東急百貨店ではなく東急不動産である。
なぜ東急不動産かというとある売れない土地をなんとか利用しようと考え店舗を自社で作り経営を始めたからだという。

どうして現在のような品揃えなのかというと、もともと不動産しか経験したことのない社員なので、小売や仕入れの知識が全く無いところから店を作った為、店員は元職人だったり、その商品の元製作した会社に社員だったりで、商品知識が人並み以上に優れている、なので商品の仕入れも店員が行なっているという。

そもそも、東急ハンズとはなんの専門店なのかという問題がある。
それぞれの人の趣味嗜好によってなんの専門店なのかという感じ方が変わる店だ。
本当に物凄い品揃え数である。
東急ハンズ自身は自分たちの店舗はヒント・マーケットだと言っている。
つまり、顧客それぞれの生活のヒントを売っているという事らしい。
人それぞれのニーズの付加価値を売っているという事なのか。
東急ハンズの店舗は変わった形をしている、左右で半分ずズレた階層になっている。
渋谷の店舗の場所が物凄い坂の場所なのでどのように立てるか検討した時にその形が一番しっくりくるだろうという事でその形が採用されたらしい。
ただし、顧客が出口がわからなくなるらしく、「出口はどこ?」という店員への問い合わせが多いらしい。

東急ハンズの仕入れは店員が自ら行なっている。
店員が一番顧客のニーズに詳しくなるからだという。
そうした顧客のニーズ取り入れてヒット商品が出たこともあるらしい。
現在はパソコンで注文を簡潔にすることができるようになったらしいが、開店当初はそれを作っている工場を足で探して電話番号を控え注文していたという。
東急ハンズではヒントハウスという商品の使い方や使い心地を試せる研究室のような場所があるという。
そこでは、洗剤の使い方や調理器具の使い方使い心地、不具合などを店員自らが徹底調査する場所だということだ。

ハンズではヒントファイルなる小冊紙を100種類以上、配布している。
そこには様々な生活のヒントになる事が書かれている。
・美味いコーヒーの淹れ方
・ワイシャツのシミ抜きの方法
・革靴の手入れの仕方
・蕎麦の打ち方
・役立つロープ結び
・傘の修理
・鞄の補修
・接着剤の選び方
・電球の種類と特徴
等々…。
利用すれば生活の潤いが増すのでは。

以前、横浜にも大きい店舗があったが、残念ながらいまは百貨店の1フロワに縮小されてしまった。
残念で仕方がない。
今は、ホームセンターがある為、役割が被り多分、ハンズも苦戦してるのではないかと感じられる。
だが、ハンズにはホームセンターには無い顧客サービスがある。
今度、また、ハンズに行き、緑のエプロンの神々に会いに行くとしようか。


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気づいたら貧困層!?お金を武器に月々3万円から2000万円作る方法教えます

小久ヒロ まんが 神戸孝 監修 フィナンシャルプランナー
2016年1月22日 初版
KADOKAWA 出版社

ハケンちゃんは30半ばの女史、時給千円の派遣事務員だ。
年収200万円以下の人のことをワーキングプアと言われる貧困層のことで一旦そこに落ちてしまうとなかなか抜け出せなくなってしまうという。
ハケンちゃんはそのワーキングプアの一人であった。

そこにフィナンシャルプランナーの神戸孝氏が突然現れ、ワーキングプアの状態を抜け出す方法を指南してくれる。

つまり、資産運用。
株式投資について指南してくれるのだ。

投資というとFXやデイトレードと勘違いしてギャンブル的なことを日本人は直ぐに思ってしまう。
この本で進める株式投資とは長期投資で5年から10年スパンで考える資産運用のことだ。

投資とはいっても銀行に預けても利子がつくので投資となるが、銀行の利子でお金を倍にするには2000年かかってしまう。

多少のリスクは取らざる得ないが増やせる投資をすべきだ。
そもそも、全ての投資には大小のリスクが必ず伴う。

具体的に投資とはどのようにおこなうのか?

株に投資する場合は本来、自分の決めた会社の株を直接買う方法が普通だが投資信託と言って運用のプロを間に入ってもらい色々と任せる事ができる。

それでも、投資は素人にはハードルが高い。
そして日本には投資家が少ない、日本国としては投資家を育てたいと考えた。
少しづつ投資に慣れる事ができる投資についての修行ができる制度を作る事にした。

それが、NISAという制度だ。

NISAとは少額投資の制度で非課税だという事。
本来、株式等で得た所得は20%程度の税金を取られてしまうがNISAを利用するとそれを免除される。
株は普通100株1000株単位で売られているNISAでは年100万円が限度額なので買いたい銘柄の株が買えないという事が起こる。
そうした時は投資信託を利用する、投資信託は1万円から銘柄を指定できる。

お金に余裕がない人は毎月積み立てる方法も取れる。

NISAを実際利用する手順は
・専用口座を開設する
・金融商品を買い運用する
・2016年から年120万円まで投資する事ができる
・非課税期間は5年間
・5年後に資産の運用方法を考える

注意点としては
この制度は2023年度までという事。
専用口座を開設する場合、銀行で取り扱いできる銘柄が違うので、自分が投資したい銘柄の買える銀行に口座を作る事。
買う銘柄は一つに絞るのではなく分散させて買う事

筆者も資産運用について真剣に考えてみようかな?
と考えさせられる本書です。


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シブすぎ技術に男泣き!

見ル野栄司 著 中経出版 出版社
2010年1月20日 初版
ISBN978–4–8061–3604–0

元メカトロニクスエンジニアという経歴を持つ漫画家だという著者。
中小企業のエンジニアにフォーカスし、苦労話や面白い話を展開していく。
著者はアーケードのゲーム機を作る技術をしていたと言う。

最初は特殊な技術を開発した会社へ取材に行き、開発にまつわる話を披露する。

数学的な回路縮小の趣味から会社を立ち上げた社長。
銀行に2時間説明し出資させ、3年間利益なしの会社を大きくしていった。

1本のスピーカーで実際にそこで演奏するかのように聞こえる不思議なスピーカー。
このアイディア理屈を思いついた社長の話。
3秒で思いついて3ヶ月で開発したとのこと。
既存の音響学に囚われない発想との事。

地下数千メートルの石油を探す検層技術を開発した会社。
ソニックセンサー、機械検層装置、水晶圧力センサー等を開発している。
難しい製品加工も日本人の職人技のベテラン技術者が活躍した。
今では人工衛星から探知出来るようになった。

次に日本の歴代の発明家の物語が語られる。

世界初電子式テレビの開発者、高柳健次郎。
テレビを発明し実用化させた功績の持ち主。
小学校時代は勉強も運動も出来なかった、落ちこぼれであった。
機械にはすごく興味を持っっていた。
家が貧しかったが様々な人の助けにより大学まで行く事ができた。
そして、ブラウン管を使った電子式テレビを開発しNHKへ移籍した。
戦争のため一時期開発を中断させられるが、終戦後、東京オリンピックをテレビで中継する事ができた。

乾電池を作った屋井先蔵。
丁稚奉公から身を起こし乾電池を発明し液体電池の時代を終焉させた。
時計屋で丁稚奉公しているうちに機械に強くなった。
働きながら猛勉強したが、寝坊のため試験会場の時間に間に合わず、高等学校の受験に失敗した。
その思いから時間の狂わない電動式時計を作ろうと決意する。
電動式時計を開発中、どうしても液体電池では使えるものが作れない事に気付き、乾電池の開発を始める。
乾電池は完成したが、それを必要とする機器が無いため最初は全く売れなかった。
しかし、日中戦争が起こり乾電池の需要ができた。
そのおかげで大量注文が起こった。
その後、電池は売れに売れ大企業となった。

後半は著者の体験談によるアーケードゲーム開発の様子が語られる。

スカイシューターというゲーム機の話。
著者はゲームの内容を見てきっと売れないだろうと感じた。
だが、会社の仕事なので私情は押さえて開発を行った。
紆余曲折があり、ボールが危険なほど飛び出したり、急遽ゴールキーパーなる人形のギミックを追加したり、スロットの表示方法を変えたりと。
メーカーの立会いの日になった。
メーカーの担当者は合格を出し、ゲームセンターでデモを行う事になる
ゲームセンターで3日間デモを行ったが誰もプレイせず3日が過ぎた。
ゲーム名を変えたりして置いてみたが結局、成績は振るわず地下室の倉庫行きとなった。

Tシャツにプリクラを印刷する新タイプのプリクラの話。
ほとんど完成したが、まだ不具合があり数人で調整中、次の日にデモをするとメーカーから連絡が入り未完成のままデモ会場へ搬入する。
最初何もTシャツへの印刷が全くできなかったがヒーターを交換して無事に印刷ができるようになった。
デモは意外にも好評で100台の量産が決定した。
そうした頑張りの中著者の勤めていた会社は倒産する。
そして、会社の技術者達はそれぞれの場所へ散っていった。
その後Tシャツプリクラは別の会社が完成させゲームセンターに置かれた。

といった技術者達の物語が数々語られている。
自分も以前エンジニアだったせいか、もの凄く共感させられた。
やはり、物作りは最高である。


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マンガ入門シリーズ 家電のお買いもの!

るかぽん 著 飛鳥新社
ISBN-978-4-86410-144-8

家電の買い方のガイドブック的な内容のマンガ形式の本書。
様々な家電の購入時のセレクトポイントを面白おかしく指導してくれる。

僕もテレビやレコーダー、ホームシアター関連はある程度理解はしているが、流石に洗濯機や炊飯器、冷蔵庫、空気清浄機は知識がない。
今はインターネットで調べられるが、まず調べるにもその家電の専門用語がわからない。
そういったことも、さりげなく説明されているからとてもためになる。

第1章 薄型テレビ(液晶/プラズマ)
テレビの購入ポイントについて述べられている。
当時、エコポイントによる景気政策が行われていたので、電化製品を新しいエコな製品にリニューアルしたときにもらえるポイントで、様々な金券に替えることができた。
僕も当時テレビを新たに変え替えたのでエコポイントをヨドバシカメラのポイントに替えた。
本書でもエコポイントがもらえる当時に薄型テレビ買い替えのストーリーとなっている。
テレビの大きさや表示方式(液晶/プラズマ)液晶の表示速度(120/240)、大きさ(インチ)、録画できるできない等々…。
今やテレビもかなり安くなったので、大きくて色々な機能がついたものが買えるようになった。

第2章 電灯・LED電球
現在、白熱電球は段々減りつつあり、LED電球に代わって行っているところだ。
蛍光灯もLEDに替えられ、すべての照明はLEDになる日も近い。
しかし、値段もそれなりに高い、長持ちするのと電気を消費しないので、元が取れると良いが、そういったエピソードがつづられる。

第3章 掃除機
本当のかどうかわからないが著者の家には7台の掃除機があることになっている、その家にあるいろいろなタイプの掃除機が紹介される。
サイクロンタイプ、ハンディタイプ、紙パックタイプそして掃除ロボットの使い心地が述べられる。
ロボットタイプは新しい家電のため当時は高い値段のものを買わないと便利に使えるものではないらしい。
僕の家ではまだ使っていないので現在の状況がどうなっているかはわからない。
安くて高機能になっていれば良いが。

第4章 洗濯機
洗濯機の使い勝手が以前のものと違っていてパニック状態なった筆者が描かれストーリーが始まる。
洗濯物に異様に糸くずが付着するようになって、不便を感じていた。
ゴミ取りネットのセットする位置が洗濯機の底にあり、糸くずが浮いてしまうらしい、ゴミ取りネットを洗濯機の上部に設置して問題がかいけるする。

第5章 冷蔵庫
使っている冷蔵庫が小さいため、大きいものに買い替えようと奮闘する様子が述べられる。
最初は冷蔵庫のサイズから選んでいこうとしていたが、カタログを集め冷蔵庫に関する知識を深めていく著者。
ビタミンが増える野菜室、うまみを逃さない急速冷蔵、ラップなしでも長持ち冷蔵の野菜室、除菌機能、おいしい水での自動製氷、使いやすい移動棚等々…。
ネットで決算セールの値段の最安値時期を読み、新しいれ冷蔵庫を購入する。

第6章 携帯電話
ガラケーからスマホに代わっていく時期、携帯電話の買い替えを行う著者の様子が描かれる。
iphoneはまだこの時期Docomoから販売されていなかった為、iphoneを選択するにはDocomo以外の携帯事業者を選択しなければならなかった。
結局、著者はAndoroidの機種を選択した。

その他
第7章 エアコン
第8章 空気清浄機・加湿器・イオン発生器

家電が好きな人はニヤニヤしながら読める。
知らない人は今でも為になる。


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さらば、デフレ不況 日本を救う最良の景気回復論

この本が出版された頃の日本は自民党政権から民主党政権に変わり世の中の景気は相変わらず不況だった。
リーマンショックからの経済の痛みは癒えず何の対策も行われなかった。
この後、更にデフレは悪化し失業率は5%と最悪、株価も一万円以下に下がっていった。

巷にはニートやフリーター、非正規雇用が溢れていた。
メディアは国の借金問題、少子化、それに伴う年金の崩壊など日本終末という論調のニュースをしきりに報じていた。

政府はなかなか認めてこなかった、「現在の状況はデフレである」ことを認め、やっと重い腰を上げデフレ対策を行なおうとしていた。
御用評論家や御用エコノミスト達はテレビや新聞で毎日、国民に財政破たんの恐怖を訴えて怯えさせていた。

だが当時の与党、民主党は財務省の傀儡となりつつあり、正しい政策を打てずにいた。

そうした中、メディアや御用専門家たちの偏った報道や何もできない政治家たちへのアンチテーゼとしてこの本は出版された。

日本経済新聞や朝日新聞が大声で叫ぶ国の借金1000兆円や年金が破産するとの日本経済終了論。

政府や日銀の財政規律政策へ真っ向からの否定的な事実を図表を使い現実の数字を使って説明する。

デフレとはどういった状況なのか?
デフレの何が問題なのか?
なぜデフレになるのか?
デフレを脱却するにはどうしたらいいのか?

国の借金とはなんなのか?
財政黒字・財政赤字とはなんなのか?
GDPとはなにか?
GDPを増やすにはどうすればよいのか?
国信借金の限界とは?

お金とはそもそもどういったものなのか?
お金の創り方とは?
効果的なお金の使い方とは?

日本がまた復活するにはどうすれば良いのか?

デフレは物が安くなる→企業の売り上げが減る→国民全体としての給料が下がる→更に物が安くなる→更に企業の売り上げが下がる→更に給料が下がる

このような過程を経て国民の生活を直撃します。

「国家経済にもフローとストックが存在する。」
「誰かの負債は誰かの資産である。」
「誰かの支出は誰かの所得である。」

こんな当たり前の簡単なルールをすっかり忘れてしまう。

そういった様々な知っているようで知らない疑問が読めば理解できる。

お金はいくらでも刷れる。

そう、デフレの今ならお金はいくら刷っても良いのだ。
そんな当たり前な解決策を誰もが思いつかず、絶望させられていた。
そんな事を誰かに言おうものなら頭がおかしくなったのかというような目で見られた。

現在、2017年5月である。
本書が出版されてから7年が経過している。
この本で指摘されていることを現在、政策として与党自民党・安倍総理は「アベノミクス」として本書に書かれたリフレ政策を実施している。
そのおかげで、失業率は2・8%に改善され株価ももう少しで2万円に届こうかとしている。

お金を大規模に刷った。
日銀の大規模な金融緩和が功を成し、為替も当時80円代から110円まで回復した。

 財政出動がまだ足りなくデフレ脱出の道は未だ半ばだが、これから正しい政策が行われれば近いうちに日本は復活を果たすだろう。 この本で書かれているリフレ政策が正しかったことが段々と証明されつつある。


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