うつヌケ

書籍イメージ
田中圭一 著 角川書店 出版社
2017年1月19日 初版
ISBN–978–4–04–103708–9

サラリーマンで漫画家の著者が患ったうつ病の治る過程のレポートと、著者の周りの人でうつ病にかかってしまった人、著名人へのインタビューをマンガ形式で綴った新しいうつ病の直し方「うつヌケ」を披露する。

最初のエピソードは著者自身がどの様にうつ病にかかっていったかとそのうつがヌケるまでの過程を披露していく。
著者は何とうつを10年も患っていながら仕事をし続けていたと言う。
仕事での劣等感を引き金にうつへと向かっていく筆者のこころの動きが描かれ、本書では脳が寒天に覆われてしまったようと表現されている感覚に囚われてしまったとの事。

薬を飲みながら仕事を続けていくが、だんだん薬が効かなくなり、量が増えていくという事態になってしまった。

しばらくしてある一冊の本をきっかけにうつとはどういったものかというものの片鱗を理解し、自分自身の考え方や行動を見直し改善していったためうつが段々とヌケていった。
しかし、その代償に会社をリストラされてしまう。
だが、その時著者は「これから自分にあった仕事を探せる」と思えて逆に楽になったのだった。

そして、新しい会社に移り新しい仕事をはじめた著者はうつはヌケたと思っていたが、ある時にまたうつの症状が現れた。
何の前触れもなくうに囚われたが、また何日かするとうつがヌケた。
こういったことの繰り返しが続いていた。
その「突然のリターン」の原因を著者は調査した。
そして、またある一冊の本と出会った。
そこに、まぎれもない解答があった。
うつをぶり返させるものそれは、激しい気温の変化だった。
3月、5月、11月に気分が落ち込む事が多い、気温差の激しい季節だ。
そのカラクリを理解した著者はその気温差の激しい季節はうつがぶり返す事を理解した準備できるようになった。

こうして気分をうまくコントロールしていけるので精神的不安も減り何事もなく過ごす事ができるようになった。

こうしたうつがヌケるエピソードを著者の周りの者、著名人にインタビューし、如何にうつを克服していくかを教えてくれる内容となっている。

本書ではやはりうつになってしまった場合自分自身の考え方の改善が最もうつには効くと思われる。

こうであるべきとか、失敗した時に自分を責めてしまうとか、未熟な自分自身を受け入れないとか等、思い詰めるとだんだん心を追い詰めてしまう。

そもそも日本人は完璧主義が多く、べき論が大好きだ。
しかし、それがうつへの引き金だ、日本人はもっとおおらかに生きてもいいと思う。
日本人の多くの人がおおらかに生きる事を否定的に考えるが、その為に窮屈な国になっている。

その窮屈な考えに拍車をかけているのが現在、わが国で起きているデフレの問題に通じる。
デフレの所為で働く事が辛く窮屈になっている。
早くデフレを脱却して若者たりが様々な仕事で大きな成功をできる国になって欲しい。


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